Netflixオリジナル「恋愛とセックス 第3回 ベイルート」 映画感想22
Netflixドキュメンタリー「恋愛とセックス」をみています。
CNNの看板記者であるイラン出身のクリスチャン・アマンプールが6つの国際都市を訪れ、男女の恋愛・セックス事情に切り込みます。
第3回は「ベイルート」です。
レバノンの首都・ベイルート。地中海に面し、商業・金融の中心地として多様な文化が交わります。近年は、紛争が続き、治安が悪化しています。前回のデリーに続き保守的な伝統が支配する都市を様々な角度から見ていきます。
結婚するには「ヴァージン」であることが求められる
女性は、結婚をして家庭を持つためには処女であることが求められます。
近年増えている自立し・性にオープンな女性はこの街で結婚できることはないだろうと嘆きます。
処女膜を再生させる外科もあり、多くの女性が手術やカウンセルに訪れます。
かつてイスラームは、性をタブーとして扱う保守的な文化ではありませんでした。15世紀に書かれた本「匂える園」には、性行為というものが神の名の下の素晴らしい行為として推奨されていて、男性が女性にすべきこと・女性が男性にすべきことが半々で書かれています。
アラブ圏で最も検索される単語は「sex」
性がタブーとなっているアラブ圏で、皮肉にも最も検索されてる単語は「sex」だそうです。多くの人が未知なる興味に取り憑かれているようです。ジャーナリストのJoumanaは「この現象は性の解放を意味している訳ではありません。私たちが身体の所有権を自ら得て、自分の身体を使ってどうしたいかを決められるようになるには道のりは遠い」と答えます。
タブーがあり、表では従順しているように見える人も裏ではやりたいようにやっているということのようですね。
紛争が続き、明日がわからない中で、その瞬間を刹那的に楽しむ文化も存在
レバノンは1975年に内戦が勃発。今も情勢は不安定です。その背景もあり、不確定の未来の為に貯蓄するのではなく、その日を最大に楽しもうとする文化があるそうです。日々綺麗な状態でいる為に、毎日サロン通いをする女性もいます。
若者は戦時中でも夜な夜なパーティをし、刹那的な快楽を楽しんでいる様子が描かれています。
建前としての表の姿と、抑圧されたタブー/明日が見えないストレスから解放されるための裏の姿を通じて、ベイルートの人々の生きづらさが描かれていました。