CryptoKanojo|「トークンとイチャイチャ」というパワーワード
ニュースサイトを巡回していたら、国産DApps「CryptoKanojo(クリプトカノジョ)」クラウドセールの記事があった(セールは完売につき終了した模様)。
https://www.4gamer.net/games/999/G999905/20181011147/
CryptoKanojoは、猫収集DAppsゲームCryptoKittiesのようなもので猫の代わりに可愛い女の子を収集するゲームのようである。それに加え、Live2D技術で表現された女の子とコミュニケーション(イチャイチャ)をとることができ、そうすることで好感度が上がっていくという独自の仕組みが取り入れられているとのこと。
このCryptoKanojoについて思ったことを3つ書いていきましょう。
1.「トークンとイチャイチャ」というパワーワード
CryptoKanojoのキャッチコピーは「トークンとイチャイチャしよう!」。これ、すごくないか。
トークン(Kanojo)はブロックチェーンに記録されているので一人ひとりがユニークな存在であり、不変。だから例えば「世界で一人だけの一途なカノジョとイチャイチャしよう!」みたいなコピーもあったはず。「自分だけの彼女を〜」とかでも良かったし、「自分好みの彼女に〜」とかもあったと思う。頭の固い私ならそうなっていたと思う。
だけど、CryptoKanojoはそういう諸々の特性・特徴を「トークン」という言葉に集約してしまった。
ここからわかることは「トークン」という言葉は新しい共通言語になりつつあるということ。「ブラウザ」とか「SNS」のように、「トークン」と聞いたら誰もが「ああ、ああいうやつね」と理解できる時代が来るような気がしている。
2. 人類のメタ認知の激烈な進化
一時期一世を風靡したラブプラスのキャッチコピーは、今確認してみたところ「いつでも、どこでも。カノジョに会える」である。「カノジョ」とカタカナになっているのは「(バーチャルの)カノジョ」という意味だろう。
しかし、CryptoKanojoはそれを一歩押し進めて「トークンとイチャイチャ」である。もはや「バーチャルのカノジョ」でさえない。単なる「トークン」。
ラブプラスがウケたのはバーチャルでありながら、キャラとの触れ合いにリアリティがあったためだと何かで読んだことがある。また、擬人化キャラが用いられたスマホゲームもリアリティというキーワードが通用するだろう。刀は刀であり、戦艦は戦艦であり、銃器は銃器だが、擬人化されれば親しみが湧くという意味でのリアリティだ。
だが、CryptoKanojoは一周回って「トークンとイチャイチャ」である。リアリティはどこへ? 開き直っている感さえある。
とは言え、これは単なる開き直りではあるまい。ゲームやアニメーションなどの文化で鍛え上げられた私たちのメタ認知能力(バーチャルなカノジョや擬人化キャラとの触れ合い)が土台となって「トークンとイチャイチャ」を容易に認識できるようになったということ。これは結構すごいことだと思う。
3. 和製DAppsが増えていくのはいいことだと思う
DAppsゲームにいまいち魅力を感じなかった理由の一つに「キャラがダサい」というのがあった。CryptoKittiesは猫を収集する人気ゲームだが「どうすればあのかわいい猫をこんなにかわいくなくデザインできるのか」と思った(ファンの人いたらすいません)。アルパカを育てるゲームも同じくかわいくなかった。冒険系のDAppsはほぼドット絵。
全てを確認したわけではないけれど、日本人好みと思われるデザインのものはほとんど見つけられなかった(ウィムジカルウォーはかわいい)。
で、ようやく来た。CryptoKanojoである。キャラデザインが多くのスマホゲームと比べても何の遜色もないのでプレイするのに敷居はかなり低いだろう。
CryptoKanojoは男性向けを想定したDAppsであると思われるので、好む好まざるはあるだろう。だけど、ようやく日本企業による日本人向けのDAppsが出てきてくれた感があって喜ばしい。
これから多様な、特に日本人向けのDAppsゲームが登場してきて欲しいと願っている。特にライトユーザーあるいは女性向けの何らかの秀逸なDAppsゲームがヒットすれば、ブロックチェーンは単なるブームではなかったことを印象づけるのに効果的であるように個人的には思う。